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井上雄彦が監督脚本を務める映画『THE FIRST SLAM DUNK』ついに上映開始!

井上雄彦が監督・脚本を務めるスラムダンク映画『THE FIRST SLAM DUNK』
井上雄彦が監督・脚本を務めるスラムダンク映画『THE FIRST SLAM DUNK』

映画『THE FIRST SLAM DUNK』が上映開始したので見てきました!

楽しみにしていた方も多いと思いますが、映画スラムダンクが公開されました。

噂では宮城リョータを主人公としてストリーが進んでいくようでした。

公開したばかりの映画『THE FIRST SLAM DUNK』を、ネタバレは出来るだけ少なくなるように、井上雄彦先生のインタビューをもとにご紹介させていただきます。

これを見て、映画『THE FIRST SLAM DUNK』を見ていただけたら嬉しいです!

 

↓映画『THE FIRST SLAM DUNK』公開後PV 30秒【絶賛上映中】

【井上雄彦インタビュー】

こんなSLAM DUNKは初めて見た。という体験を

-『THE FIRST SLAM DUNK』の制作は、どのように始まったのでしょうか?

オファーは10年以上前からいただいてました。そのときにパイロットフィルムを作ってきてくださったんですけど、僕が思うものとは違うなって思って、お断りしてたんです。ただ、短いとはいえ映像を作るって本当に大変で、それを何度も作ってきてくださる制作サイドの熱意は感じていました。

-具体的にGOを出したのはいつですか?

2014年です。決め手はそのときのパイロットフィルムの顔でした。作られた方の魂が入った、真っ直ぐ訴えかけてくる感じがしました。

-技術的な面や映像のクオリティよりも、熱意や魂といった感情的な部分が大きかったと。

そうですね。僕はアニメーション映像の技術のことは詳しくないですし、それはあくまで手段と思っています。たとえば今回バスケシーンにCGを使ったのも、10人がコートの上でバラバラに動くのを描くうえで、CGなしでは無理だろうなと思いましたし、手段として採り入れたという感じです。

-制作にGOを出した時点で、ご自身で監督や脚本まで担当されるつもりでしたか?

そうではなかったのですが、ただ「やりましょう」と答えた時点で、何らかの形で自分がかかわる形まではセットで考えていました。たとえばパイロットフィルムを見て、「ここはこうしたいな」とか僕自身が観客としていろいろと感じていたので。そうなるとスラムダンクを映画化するなら自分が少しでも関わったほうが良いものになるんじゃないか、その方が作品のためになるし、読者のみなさんが喜んでくれるんじゃないかというのが、大きかったですね。

-とはいえ「何かしら関わる」のと「監督をやる」のでは、だいぶ重さも違いますよね。

そうです(笑)。そこは様々な経緯があってたどりついた結果ですけど、映画作りのド素人である自分が「監督をやる」まで踏み切れたのは、これまでの活動で多少は度胸がついていたのかもしれません。例えば「最後のマンガ展」みたいなのをやるときに、今回と同じように展覧会のド素人として現場に入るわけですよ。しかも、ド素人なのに中心人物として関わることになる。そういう経験が何度かあったのが、少しは後押しになったかなと思います。

やるからには原作をただなぞるより新しい視点でやりたかった

-「井上雄彦の絵がそのまま動いている」かのような映像が印象的な本作ですが、これはどう実現していったのでしょうか?

僕の中には「こんな感じにしたい」というイメージはあっても、その経験や知識がありません。こんな感じとしか言いようのないふわっとしたイメージを掲示して、それを経験豊かなスタッフたちが「こうなんかじゃないか」と解釈したり、「こうしてみたんですが」と打ち返してきてくれて。最初から明確に「ここがゴールですよ」という一点へ向かって全員で突き進んだという感じではなく、そうしたやりとりを積み重ねながら最終的に「ああ、たどりついた」みたいな感覚です。今回監督やって痛感したのは、たくさんの人の手を借りて映画を作る以上、100%僕が思った通りのものにはならないことです。漫画なら「結局は自分が書くしかない」ということができるけど、映画は自分だけで作りあげることはできない。そこが全然違ったし、同時にそれこそが映画をやる意味なのかなとも思います。その中で、僕が「これは違うな」という部分は出来る限りなくしていきつつ、逆に「ああ、こんなふうにしてくれるんだ」と感じたところはどんどん活かしていきながら作り上げていきました。

映画 スラムダンク『THE FIRST SLAM DUNK』

Photo: 公式サイトより

-リアルなバスケの表現も本作の大きな特徴ですが、試合シーンを描くうえで、特に大切にしたポイントはなんでしょうか?

すごく細かいところですが、足の踏み方や、ボールをもらった瞬間の身体の反応、シュートに行く時のちょっとしたタイミングなど、僕自身が体感として覚えている「バスケらしさ」をそのまま表現することですね。スタッフが全員バスケ経験者じゃないから、そのへんのニュアンスをどこまで伝えられるか懸念もあったのですが、制作スタッフの方々が実際にバスケを習いにいってまずは自分でプレイしてみたと聞いて、すごいなと思いました。願わくは、今もまだバスケを好きでいてほしいですね。今回の作業がしんどくて「もうバスケを見たくない」とか思ってないといいなと思って(笑)。

-原作では試合の所々に入っていたモノローグやギャグは大胆に削られていますね。

これもやってみて痛感したことですが、原作の細かいギャグなんかはどうしても入らなかったです。漫画だと細かいギャグは小さいコマや字でこっそりと入れられるじゃないですか。でも映画はスクリーンのサイズがずっと一定で、その隅っこに小さくギャグを入れても気付かれませんし、大画面でやるのも違うので。そこの違いは大きかったですね。それは自分の未熟さかもしれないけれども、漫画ならコマの割り方やコマの中でコントロール出来るけど、映画でそうする方法を見つけれなかった。ただ、そこにいつまでも拘すぎてしまうより、漫画は漫画、映画は映画、それぞれの楽しみ方があるはずだと割り切って、今回は「バスケらしさ」の方を優先する判断をしたということです。

-主人公が桜木ではなくリョータという点には、驚いたファンも多いかと思います。

原作をただなぞって同じものを作ることに、僕はあまりそそられなくて。もう一回スラムダンクをやるからには新しい視点でやりたかったし、リョータは連載中に、もっと描きたいキャラクターでもありました。3年生はゴリが中心にいて、三井にもドラマがあるし、桜木と流川は1年生のライバル同士。2年生のリョータは間に挟まれていました。そこで今回はリョータを描くことにしました。

-原作でキャラクターの家族の話はあまり描かれていませんが、今作では宮城家のエピソードがかなり深く描かれています。

連載時僕は20代だったから高校生側の視点のほうが得意というか、それしか知らなかったんです。そこから年をとって視野が広がり、描きたいものも広がってきました。スラムダンクの後、バカボンドやリアルを描いてきてことも影響しているので、自然な流れだと思います。原作で描いた価値観はすごくシンプルなものだけど、今の自分が関わる以上は、原作以降に獲得した「価値観はひとつじゃないし、いくつもその人なりの正解があっていい」という視点は入れずにいられませんでした。

彼らが普通の高校生である感じを一番大切にしたかった

-今作のキャストを決めるにあたり、とくに重視したポイントはなんでしょうか?

声質ですね。漫画を描く時キャラクターの声が自分の中ではっきり聞こえるわけではないんですが、声のツヤっぽさ、高さ低さ、ちょっと掠れているとか、太くて芯があるとか、そういう「質感」だけはぼんやりとあるんです。それに合う人を選びました。

-アフレコ時にはどういったディレクションをされましたか?

いわゆるアニメっぽいお芝居よりも、彼ら(キャラクター)は普通の高校生ですから、普通な感じを一番大事にしたかったんです。声優さんには「コイツはこういうヤツです」というキャラクターの説明はしたうえで、あとは「なるべくご自身のいつもに近いトーンでお願いします」とお伝えしました。アフレコを通して、僕の中でも発見があって。漫画を描く時キャラの声は聞こえていないけれど、フキダシに文字を入れながら、文字の大きさやフキダシの形、置く場所などで、しゃべる間や声の大小を無意識に漫画の中に込めていただんだなとという事に気づきました。声優さんに「ここはこうしてください」と具体的なお願いをするときには、それば僕の中での拠り所になっていました。

-アフレコを終えてのご感想は?

いやあ、感動しましたね。声優さんと現場で一緒にお仕事させていただくのは初めてでしたが、ふらっと一人でスタジオに来られて、一人でブースに入られて(※コロナ禍対策で収録は個別に行われた)、背中を僕らにずっと見られながらお芝居をされて、終わったら「どうもー」と帰っていく。その手ぶら感というと失礼かもしれませんけど、身ひとつで来て声だけで勝負して帰る感じが、剣一本で戦う剣士のようでかっこいいんですよ。もちろん手軽にサッと済ますとかではなく、皆さん「どうコイツを演じようか」とすごく考えてくださいました。前回の収録から次までの間に格段に良くなっているのを聞くと、きっと持ち帰って色々と試行錯誤してくださったんだろうなと思って、本当にありがたかったですね。

-主題歌をThe Birthdayと10-FEETにオファーした経緯は?

オープニングでは、ひとつの音から始まって、だんだん音が増えていく、ちょっと不穏な雰囲気の長めのイントロが欲しいイメージが最初からあったんです。The Birthdayはずっとファンだったので、ぜひこの人たちに頼みたいと思っていました。10-FEETは今回エンディングや劇伴に大変な労力をつぎ込んでくださって。元々いいデモを沢山だしてくれて、こちらが「もっとこういう感じでもいいですかね」と言えばまた別の提案をしてくれるし、そこから何度も細かく直す作業もやっていただいて本当に頭が下がりました。

-監督から楽曲について、具体的なリクエストはされたのでしょうか?

基本的にはさっきの絵の話と同じで、こちらからは「こういう感じが欲しいです」というイメージだけ掲示して、あとはやりとりの中で進めましたね。試合のSE(効果音)は別として楽曲に関しては「この音が正解」というゴールが僕の中でも見えていたわけでもなかったので。たまに「これは少し違うかな」と思った時には、そうお伝えしましたが、上がってきたものを聞くたびに「音の力ってすごいな」と唸らされました。

-スタッフの方は「監督のジャッジの正確さに驚いた」そうです。ほんのわずかしか違わない音源でも「こっちは○でこっちは✕」とブレずに判断が出来る、と。

どうなんでしょう…だとしたらそれは僕が慣れてないからかもしれないですね。自分の中に「これはこういうものだ」という定型がないから、よく言えば「先入観がない分フラットに判断できた」のかもしれないし、悪く言えば「僕も初めてで何が正解かわからないので、自分の感覚を総動員して全部1から考えるしかなかった」とも言えます。そのせいで無駄なことも随分いっぱいあっただろうし、音にしろ絵にしろ今回の全部がそうだった気がするんですよ。「ここで力を出せばいいから、こっちはセーブしておこう」みたいな経験やノウハウが僕にないせいで、本来セーブできる人たちも周り道に付き合わせてしまったというか。みんな相当大変だったと思いますし、それでも辛抱強く付き合ってくれながら、ベストな道を一緒を模索し続けてくれたスタッフの方々には本当に感謝しています。

全ての経験が一本の道となりいい漫画を描くことにつながる

-井上監督はこれまでも常に挑戦を続けてきた方だと感じます。本作も新たな挑戦づくしでしたが、その原動力はなんでしょうか?

それは漫画ですね。外からは漫画以外のことを色々やっているように見えるでしょうけど、自分の中では一本の道なんですよ。全部に漫画家として向き合っているし、全部の経験が漫画家としての自分に返ってくるんです。美術館の展示にしても、イラストの仕事も、今回の映画も、僕にとっては全部「漫画はこういうことも出来るんだ」という足場でやっています。様々な経験を積んで自分を太くすることが、結局は全部いい漫画を描くことにつながっていくと考えています。

-最後にSLAM DUNKファンのみなさんへ、メッセージをお願いします。

新しい視点、新しい角度から見た「SLAM DUNK」を作りました。漫画は漫画としてあって、TVアニメも変わらず見ることが出来るし、映画は映画で「新しいひとつの命」として作った作品です。根っこは全て同じものですが、『「SLAM DUNK」は知っていたけど、こんな「SLAM DUNK」は初めて見たな』という感じを体験してもらえたら嬉しいですね。

映画 スラムダンク『THE FIRST SLAM DUNK』

Photo: 公式サイトより

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