映画 : 『スープとイデオロギー』 イントロダクション
ひとりの女性の生き様をとおして
国家の残酷さと運命に抗う愛の力を唯一無二の筆致で描き出す
年老いた母が、娘のヨンヒにはじめて打ち明けた壮絶な体験 — 1948年、当時18歳の母は韓国現代史最大のタブーといわれる「済州4・3事件」の渦中にいた。
朝鮮総連の熱心な活動家だった両親は、「帰国事業」で3人の兄たちを北朝鮮へ送った。父が他界したあとも、“地上の楽園”にいるはずの息子たちに借金をしてまで仕送りを続ける母を、ヨンヒは心の中で責めてきた。
心の奥底にしまっていた記憶を語った母は、アルツハイマー病を患う。消えゆく記憶を掬いとろうと、ヨンヒは母を済州島に連れていくことを決意する。
それは、本当の母を知る旅のはじまりだった。
(公式サイトより引用)
Photo: 公式サイトより
映画 : 『スープとイデオロギー』 ストーリー
大阪・生野区生まれ、在日コリアンのオモニ(母)。
2009年にアボジ(父)が亡くなってからは大阪でずっと一人暮らしだ。
ある夏の日、朝から台所に立ったオモニは、高麗人参とたっぷりのニンニクを詰め込んだ丸鶏をじっくり煮込む。
それは、ヨンヒとの結婚の挨拶にやって来るカオルさんにふるまうためのスープだった。
新しい家族に伝えたレシピ。突然打ち明けた「済州4・3事件」の壮絶な悲劇。
アルツハイマーでしだいに記憶を失なっていく母を、ヨンヒは70年ぶりに春の済州島へ連れていく
(公式サイトより引用)
Photo: 公式サイトより
済州島で何が起きたのでしょうか?オモニの運命はどうなったのでしょうか?オモニの国家観はどう作られたのか?
オモニが経験した出来事を通して戦後の朝鮮と日本の歴史に深くかかわる。
オモニ本人は認知症になり目の前の娘のことすら忘れてしまう。
つらい過去を忘れる事は幸せなのかもという監督の言葉に思うことが沢山あふれる。
映画館が明るくなってもしばらく席を立てなかった。宿題をもらった様な気持ち。すぐ近くの今はリゾート地として知られる済州島で起きた事を自分なりに調べてみようと思いました。
映画は最初はヤン監督の撮影した画面のみ。
ヤン監督はカメラを回しながらオモニやアボジと話す。後半は撮影はカメラマンに委ねられ監督は撮影される対象、登場人物の1人となる。
ドキュメンタリーとしては監督が取材者から取材対象に変化するというのが面白かったです!